授業やカリキュラムは「英語学・英語教育学」「メディアと社会」「英米文学」「世界の多様な文化」「英語コミュニケーション」の5つの領域で構成されています。2年生では、様々な学問領域に出会いながら、英語で情報収集、レポート等の制作、口頭でのディスカッションやプレゼンテーションをする力を伸ばします。3年生からゼミに所属します。所属ゼミの学習・研究を中心に、英語を自由に駆使しながら論理的思考力・批評力・創造力・計画力・指導力・協働力を身につけます。4年生では、集大成として、卒業論文を執筆します。自分の選んだテーマについて、主体的・計画的に研究を進め、その成果を論理的に筋道立った英語の卒業論文にまとめます。映像作品、創作・翻訳など、卒業制作に取り組む人もいます。
「今より英語力をアップしたい」と思っている人は誰でも歓迎します。英語が得意だ!という人は、もっと上の英語力を目指してください。英語を使って活躍している卒業生も沢山います。また、今自信がなくてもかまいません。英語が苦手、自信がないという場合、英語文化コミュニケーション学科の授業は、とくにはじめの内は大変かもしれません。「楽です!」と嘘はつきませんが、2年生の英語の授業はレベル別にきちんと指導していますので安心して下さい。
英語文化コミュニケーション学科では、専門科目の約7割が英語による授業です。つまり、一人ひとりが、専門分野を学ぶと同時に「英語でコミュニケーション」する力を最大限伸ばすことができる環境が整っています。これは他大学の英文科にはなかなか見られない大きな特徴です。もちろん日本語で行われる授業もあります。『授業計画書(シラバス)』が英語で書かれている授業は、原則として英語で行われます。英語による授業を多く履修することもできますし、日本語による授業を組み込んで履修計画を立てることもできます。
授業の課題(レポートや試験)もすべて英語というわけではありません。卒業論文に向けて、英語で書く練習を多く積みますが、日本語でレポートを書く授業もあります。
英語による講義は、皆がついていけるように様々な工夫をしています。丁寧なハンドアウトが配られて予習・復習がしやすいようにしてあったり、日本語で補習があったりすることもあります。しっかりサポートはしますので、困った時はいつでも相談して下さい。英語文化コミュニケーション学科で勉強すると、もちろん英語力ものびます。ですが、英語を使って何をするか、何ができるようになるか、ということがもっと大切です。積極的に人とコミュニケーションをとるのが好き、本をじっくり読むのが好き、ニュースなどをみて色々と疑問がわき調べることが好きなど、自分が好きなこと、興味のあることをきっかけに、一人ひとりが英語でできることを増やしてほしいというのが英語文化コミュニケーション学科です。
英語文化コミュニケーション学科には、10名の専任教員がいます。各教員の研究領域・授業で扱うテーマは以下の通りです。2年次の冬にゼミ説明会が開催されます。そこで、ゼミで扱う内容を具体的に聞くことができます。
- 教員
- 研究領域・授業のテーマ
- 安達まみ
- シェイクスピア、ミュージカル、文芸翻訳、子どもと本
- 扶瀬幹生
- 文学と電子メディア、プログラミング、ネットワーキング
- 濱口壽子
- 談話分析、社会言語学、高齢者とのコミュニケーション
- 林 龍次郎
- 言語の仕組み、英語の文法と語法、ことばの意味
- 金澤洋子
- 第二言語習得、英語教育、語用論、L2ライティング
- Marnie Mayse
- メディアを使った英語教育、ソーシャルメディアの活用
- David McNeill
- メディア研究、ジャーナリズム、メディアと政治
- 中川僚子
- イギリス小説を中心とした英語圏文学・文化、環境文学
- 杉本淳子
- 音声学、音声指導、リスニング、英語の多様性と明瞭度
- 山田由紀
- 英米詩、映画の言葉、移民作家とアメリカ、物語と記憶
※アルファベット順
英語文化コミュニケーション学科では、中学校と高等学校の英語科教員免許を取得することができます。ただし、英語の先生になるためには、一定の英語力をもっていてほしいと思いますので、条件があります。英語の教員免許取得を目指す人は、早めに履修要覧を確認して、1年次後期で受けるGeneral Test、またはTOEICや英検などで、少なくともどの程度の点数や級が必要なのか、確認をしておくことをすすめます。また、英語の教職を目指す人は日頃からの英語力を高める努力をして下さい。自分が理解できる英語に触れる機会を毎日作ることが大切です。
答えはYes!です。英語文化コミュニケーション学科では、学生たちがそれぞれの興味・関心に応じて多彩なテーマで英語の卒業論文を書いています。ひとつの学科の中から、びっくりするほど多様なテーマの卒業論文が生まれています。「でも、そもそも英語で論文を書くなんてできるかなあ…」と思う人もいるかもしれませんが、心配はいりません。その理由は「Step-by-Stepで英語で書く力を養う」ためです。2年次では「Academic Writing」、3年次では「英作文」と、4年次での卒業論文執筆に向けて準備をします。専門の勉強と並行して、英語でのクリティカル・シンキングやクリティカル・リーディングの学習もします。そうして英語で論文を書く準備を整えていき、多くの学生は充実した卒業論文を英語で書き終え、達成感を経験して卒業していきます。卒業論文とは、自分が夢中になれることをみつけて、形にすることです。そうやって書きあげた卒業論文は、一生の宝物になります。授業はアイディアの宝庫であり、また、授業の外でもたくさんのアイディアがころがっていて、みなさんの発見を待っています。
聖心女子大学卒業生の就職状況は、国内の大学でトップレベルですが、2019年3月英文科卒業生の就職率は98.9%、過去5年間の英文科卒業生の平均就職率は 99.1%と、いずれも聖心女子大学全体の就職率を上回っています。ですから就職状況は非常によいといえます。また大学全体について言えることですが、就職先についての満足度が高いということも特長です。どの専門分野を選んでも、就職状況のよさはかわりません。その理由をキャリアセンターの担当者は次のように説明しています。「企業が見るのは、どの分野を学んだかよりも、学生時代に自分の専攻分野でどれだけがんばって力をつけたかです。ですから、たとえば人文系だからとか、文学で卒業論文を書いたから、という理由で不利になることはけっしてありません。これだけ学生時代にしっかり力をつけている人であれば、就職しても伸びが期待できる―と企業は考えるようです。英文科の場合は、英語力があるから強いということもよく言われます。」
もちろん、海外留学はできます。聖心女子大学は全学科共通の留学制度をもっていますので、英語文化コミュニケーション学科からも、半期や1年の長期留学や、短期留学にいく学生が毎年一定数います。英語で開講されている授業が多いため、留学先で英語の授業を受ける準備ができる学習環境が整っています。英語文化コミュニケーション学科では、留学は必修にしていません。それは、一人ひとり英語力や経済的事情、そして、課外活動・就職活動やインターンシップなど、力を入れたい活動が異なるためです。長期留学(半年や1年)をする人、短期留学(夏休みや春休みを利用した語学研修)にいく人、各種スタディツアーに参加する人など、様々です。
英語文化コミュニケーション学科を2019年3月に卒業した4年生に、アンケート調査をおこないました。「身についた力」としては、「英語力全般」「論理的思考力」「発信力・プレゼンテーション力」「広い視野」「挑戦する力」「想像力」「探究心」などが多くあがりました。英語文化コミュニケーション学科で学んだ感想、そして高校生・大学1年生のみなさんへのメッセージを、一部ご紹介します。
- 視野や自分の世界観を広げる素晴らしい機会や環境が整っています。今の自分をより成長させたい方へおすすめする素晴らしい学科です。
- 英文科、1年生の時は絶対に入らないと思っていた。でも入ってみたら今後も役立つことばかりで世界が身近になります!
- 論理的に文章を構成していく方法を学びました。はじめは大変でしたが書き終えた時には達成感があり、英語で論文を書いて良かったと実感しました。
- 視野が広がったと思います。考える力がついたと同時に、世界に向けて、広くあらゆる分野や文化を知るようになった。
- 言葉には力があるということを身に沁みて感じました。
- プレゼンテーションも英語で行うため、簡潔に分かりやすく伝えられる力が身についたと思います。
- 苦手だからこそ入った英文科で得たものは本当に大きかったです。
- 上級生に、英語でならどの国の文化・ことばも学べるし、日本語も客観視できると言われ、決めました。想像以上にすばらしい学び、すばらしい仲間に出会えました。
- 学ぶことだけでなく、多くの出会いを生み、就職活動にも活かされたと思います。
- 「できない」と思うこともあるかもしれないけれど、やろうと思えばできると本当に思います。達成感は英文がNO. 1だと思っています!