国籍を超えてわかり合う
ASEACCU国際学生会議に参加して
岡本 愛美咲2019年度3年生
2019年夏、韓国で開催されたASEACCU(東南・東アジアカトリック大学連盟)国際学生会議に参加しました。渡韓前には、宗教・政治・歴史・教育・文化等を専門とする先生方から講義していただき、アジア地域についてじっくりと考え会議に臨みました。日本のほか、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、カンボジア、台湾、韓国、オーストラリアから集まった学生と5日間共に過ごし、議論を通して平和と友好の輪を築くことが出来ました。各国の抱える問題を自身の問題として捉えるきっかけ、どんな時も私たち学生は国籍を超えてわかり合えるという確信を得た体験でした。
実は入学当初、英文科への進学は考えていませんでした。英語への憧れはありましたが、苦手意識からその気持ちに蓋をしていたように思います。入ってから実感したことですが、英文科は、英語に向き合い、真剣に学びたい学生が成長する場所でした。
来年度、私はカナダのマギル大学に留学します※近年、カナダでは移民の増加を受け、マイノリティの社会参画を巡って独自の取り組みがあり、それをこの目で確かめたいと思います。多様性が許容される多民族国家、カナダで学べることに今からとてもワクワクしています。(※新型コロナウイルス感染症の影響により派遣中止となりました)
心と知識を豊かにしてくれる文学
愛読書で卒論に取り組んで
増田 萌花2020年3月卒業
英文科での学びを通して文学に出会い、人はどのように生きるべきかを見つめることができました。文学作品はむずかしいというイメージがあるかもしれませんが、身近にある詩や物語、映画の脚本も文学です。喜びや悲しみを感じるだけだった映画も、授業で登場人物の言葉、時代背景、そして監督の意図に触れることで、より広く深く作品を楽しめるようになり、その分析方法は確実に身につきました。
課外活動は馬術部に所属し、3年次には部長を務めました。卒業論文の題材に選んだのはBlack Beauty(『黒馬物語』)、主人公の黒馬が自らの波乱に満ちた人生を語っていく動物の自伝的小説です。9歳から続けている乗馬は私の生きがいです。英語で読み解いて追究すると、小さい頃日本語で読んでいた作品にこんなに深い意味があったのかと、おもしろさが無限に広がりました。ゼミの仲間と英語で語り合い、文献を調べて卒業論文を英語で書き上げたことは、達成感につながり、かけがいのないものです。
文学はこれからも心と知識を豊かにし、生き方の指針でありつづけると思います。
幅広い学びの可能性
卒論プロジェクトでミュージカル翻訳
梅田 真由2020年3月卒業
英文科への進学は、入学当時からではなく、1年次で様々な分野を学んでから決めました。メディア、英語学、文学を2年次で満遍なく学べたことはとても大きく、興味の幅ができ、ゼミ選びの際に選択肢も広がりました。
卒論プロジェクトとして、ミュージカルの翻訳に取り組みました。高校の時、英語で上演した大好きな作品で、日本語訳が存在しない『ヘアスプレー』を選びました。所属するミュージカル研究会でこの作品の上演が決まり、私の訳詞が使用されたため、実際に歌ってみながら、歌いやすさ、聞き取りやすさを考えて訳詞を作り上げました。演出も担当し、各部員にどう助言したらよいか時間をかけて考えました。勉強との両立は、切り替えをしっかりすることでメリハリがつきました。
4月からはアパレル企業の、外国のお客様の多い店舗に配属されることになりました。英語での接客は、日本語を直訳するのではなく、たくさんの工夫が必要になると思うので今から楽しみです。一人ひとりに合った助言をすることが得意だと気づいたので、将来は新人の育成や採用に関われたらと考えております。
イギリス留学で広がった視野
次は大学院留学に向かって
野城 七海2020年3月卒業
聖心女子大学英文科に学んで良かった点は、アカデミック・ライティング(英語レポート)の書き方を丁寧に学べたことです。1年生で基礎的なパラグラフ、2年生で論理的に主張を展開するレポートの書き方を学びました。3年生では、引用の仕方や参考文献の書き方など、細かいルールも身に付けることができました。留学中は、レポート課題の書き方に悩むことなく、内容に集中して取り組むことができました。
イギリスの大学への派遣留学に応募したのは、学生時代に何かを成し遂げたいという気持ちが強くなったためでした。留学中は、日本とはまったく違う環境で1人で生活し、行動力や判断力も鍛えられましたが、何より、いろいろな国から来た人たちと接し、自分とは違う価値観や文化を知ったことで視野が大きく広がりました。
秋からは、ロンドン大学大学院で翻訳学を学びます。学部ではイギリス小説を学びましたが、新しいことに挑戦したいと思いました。具体的なプランはまだですが、将来は国際的な交流の場で、言語を通し、国際社会の発展に貢献できるよう、努力を続けたいと思っております。
「英語を使うことは楽しい」と生徒が思える
授業を目指して
長谷川 舞2020年3月卒業
英語学に関心があったので、3年では、英語で行われる音声学のゼミに入りました。様々な話者が使う英語の特徴についてグループで調べたり、英語の多様性について学んだりすることが出来て、とにかく楽しかったです。英語の教職のほかにも、日本語教員課程を履修し、ESSでも活動し、卒業論文では英語の発音指導について研究するなど、学びの多い大学生活でした。
3年生の春、国連女性の地位委員会に参加するためにニューヨークの国連本部に2週間通い、女性の視点で、ジェンダーの平等や社会保障制度、公共サービスへのアクセスなどのテーマについて考えました。結婚や出産があるとはいえ、女性では得にくい地位や権利がたくさん存在していることに気付きました。また、国連機関によるジェンダーに関する活動内容を聞いたり、各国の参加者と話したりして、他国の状況も知ることが出来ました。
春からは、公立高校で教員になる予定です。生徒が「英語を使うことは楽しい」と思えるような授業を行い、英語を通して異なる文化や意見を理解するきっかけを作れるような教師になりたいと思います。
身についたプレゼンテーション能力、
コミュニケーション力、そして自信
金川 満瑠2019年3月卒業
現在は、キャリアアドバイザーをしています。転職活動をする20代の方々の希望を伺い、活躍できる仕事を一緒に考えるお仕事で、とてもやりがいを感じています。私が発信する言葉によってお客様の気持ちや結果が大きく変わる仕事なので、「言葉の大切さ」を日々感じています。
英文科を選んだのは、苦手意識のあった英語に向き合う最後の機会だと思ったからです。実際に英文科で学び、英語力に加えて、様々な角度から論理的に考える力やプレゼンテーション能力が身についたと思います。原稿なしで英語でのプレゼン経験を積み、日本語なら原稿なしで堂々とできる自信がつきました。
華やかな印象とは裏腹に、英語の課題でも有名な英文科ですが、就職活動を通して感じたのは、大人たちが学生から聞きたいのは失敗や挫折経験だということです。ご自身の人生を重ねてとても興味をもって聞いてくださいます。英文科の学生は、みな課題を数多くこなした経験を自信に変えて社会に出ていくのだと思います。
いろいろな方と英語でもコミュニケーションがとれるので、仕事の幅が広がることを感じています。(2019年度マグダレナ・ソフィア・バラ記念学長賞受賞者)
長尾 綾子2020年3月卒業
私が一年生の時のアメリカ大統領選挙で、「ローマ法王がトランプ支持を表明した」というフェイクニュースが選挙の勝敗に影響を与えました。この出来事をきっかけに、私はメディア・コミュニケーション分野に興味を持ちました。授業では「メディアの伝える情報が本当に正しいのかどうかを、まず疑って考える」クリティカル・シンキングの大切さを学ぶ事ができましたが、不正確な情報が身の回りにあふれている現代社会において、いつでも活かせるスキルであると実感しています。また、海外の文献を通してメディアの受け手側だけでなく制作側の視点も知ることで、多角的に物事をとらえる習慣が身に付きました。
スミス 花子 ルネ2019年3月卒業
私は、大好きな英文学をイギリスで学ぶことに憧れを抱き、イギリスのローハンプトン大学に留学しました。私は日本で生まれ育ち、日本語の方が得意で、英語でディスカッションするのは恥ずかしく、上手く参加することができませんでした。けれども英文科では、英語で人の意見を聞き、話すということが授業の中で当たり前に行われているので、恥ずかしさを徐々に克服することができました。留学中には、イギリス人の学生と一緒に寮に住み、互いの文化を教え合いました。かけがえのない友人ができ、視野が広がるなど、留学で得られたことは英語力の向上だけではありません。皆さんもぜひ自分が惹きつけられる国に行き、多くの経験をしてください。