聖心女子大学 英語文化コミュニケーション学科

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国連女性の地位委員会(CSW63)参加報告

国連女性の地位委員会(Commission on the Status of Women; CSW63)に参加して

By Mai Hasegawa

2019年3月に国連女性の地位委員会(CSW63)に参加してまいりました*。国連女性の地位委員会とは、女性のエンパワーメントを推進するためにニューヨークの国連本部で毎年行われる会合です。加盟国の政府代表団が集まり、ジェンダー平等に関する問題について本会議で議論を重ねます。

私は主に、政府代表団の本会議傍聴したり、国連組織や各国政府が主催するサイドイベントや各国NGOが主催するパラレルイベントに参加したり、日本政府代表団とのブリーフィングに参加し会議の進行状況などを聞いたりしました。本会議では、「ジェンダー平等と女児のエンパワーメントのための、社会保護制度、公共サーヴィスへのアクセス、および持続可能なインフラ」という今年のテーマに沿って、議論が行われました。閉会式でも、出産・中絶の権利についてかなり議論がなされていました。また、LGBTQIを許容するか否かが、家族のありかたに反映されており、familyを単数形にするか複数形にするかについて長い議論が続きました。

また、国連で働く女性にお会いする機会を頂き、軍縮担当の中満泉さんにお話を伺いました。特に、リーダーシップ論で、最も弱い立場の人に対する理解に努め、彼らの意見を代弁出来ることが良いリーダーになるための要素であるというお話が印象に残っています。

サイドイベントでは、デンマークの育休・産休に関するものが印象に残っています。デンマークでは父母の両方が子育てに関わるべきという考えが浸透しており、子どもの早い成長を近くで見守りたいと考え、男性も積極的に育休を取っているそうです。さらに、子どもがいない人も税金が育休産休に使われることに理解があり、不満を抱かないそうです。女性だけでなく男性の子育てに対する意識の高さに驚きました。

CSW63を通して私たちのジェンダー平等に対する認識を上げることが重要だと考えました。今の日本では、男性との差は仕方ないと思ったり、男女はこうあるべきというイメージが強かったりしますが、ジェンダーによる差別・偏見をなくせるような社会の実現に努めたいと思います。

(*NGO大学女性協会から推薦をいただき参加しました。)